座敷牢群島

日頃触れ合った様々な文化についての備忘録となっております。

美術

ギンザ・グラフィック・ギャラリー「ウィム・クロウエル グリッドに魅せられて」展

「グリッドに魅せられて」というタイトルが示すように、ウィム・クロウエルは「グリッド」を厳密なルールとしてシステマチックにデザインを創造したデザイナーである。コンピューター時代の今でこそグリッドはデザインの基本だが、彼はコンピューター前の時…

京都国立博物館「池大雅 天衣無縫の旅の画家」

GW前半に特に予定も無かったので京都まで行って池大雅の回顧展を見ることにした。時期が時期なので混んでいるかなと思ったが、そこまで混雑していなかったので助かった。 回顧展は85年ぶりだという。確かに同時代の画家に比べると扱いは地味だった気もする………

姫路市立美術館「連作の小宇宙」

姫路駅から歩いて15分ほどのところに姫路市立美術館がある。庭園を囲むように建っている赤レンガ造りの建物はもともと陸軍兵器廠だったらしい。 今回「連作の小宇宙」という連作というあり方に焦点を当てた展覧会が催され、様々な連作を並べて展示している。…

東京都写真美術館「『光画』と新興写真 モダニズムの日本」

東京都写真美術館で「『光画』と新興写真 モダニズムの日本」が開催中だ。戦後写真に埋もれがちな戦前写真をしっかり取り上げる展覧会には非常に興味があり、久しぶりに都写美に足を踏み入れることとなった。 絵画の支配下にあった写真が独自の芸術的位置を…

東京ステーションギャラリー「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」

北海道から帰宅する飛行機が大幅に遅れ、急遽東京駅近くで一夜を明かすことになった。せっかくなので翌朝に「くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質」開催中の東京ステーションギャラリーへと向かった。 この展覧会は、今まで隈が手がけてきた様々な…

熊本市現代美術館「熊本城×特撮美術 天守再現プロジェクト」展

先日、初めて熊本市を訪れた。少し熊本市街地を散歩した限りでは、地震の影響を感じさせるような場所は多く無かった。 しかし熊本の多くの文化財にはまだ影響が残っている。横井小楠の四時軒や徳富蘇峰旧邸には未だに立ち入ることができない。そして、何より…

埼玉県立近代美術館「版画の景色 現代版画センターの軌跡」

「現代版画センター」についての詳細を知っているという方は戦後美術について相当通暁していると思われる。センター活動時には生まれてすらいない私は展覧会の名前を聞くまでは存在すら知らなかった。 知らないとはいえ、埼玉近美で現代美術を取り上げるとき…

国立科学博物館「南方熊楠 -100年早かった智の人-」と21_21 DESIGN SIGHT「野生展」

2017年は南方熊楠生誕150年であり、表題に挙げたように年末から南方熊楠関連の展覧会が東京で2つ開催されていた。国立科学博物館「南方熊楠 -100年早かった智の人-」は行っておいて損はない。順番としては、まず「野生展」を見てから、後日「南方熊楠」を…

日比谷図書文化館「ARTISTS MEET BOOKS 本という樹、図書館という森」展

小学校の頃は毎日のように町立図書館に通っていたし、高校・大学の頃は学校図書館に入り浸っていた。当然、大学院では図書館の地下書庫に張り付いていた。溢れんばかりの本棚に囲まれていると精神が高揚する。 日比谷図書文化館で行われている「ARTISTS MEET…

国立近現代建築資料館「紙の上の建築 日本の建築ドローイング1970s – 1990s」展

面白い展覧会が無いかなとネットを彷徨っていると、こんな記事を見つけた。 artscape.jp 多少建築に興味があれば知っているような建築家が紙の上に展開したヴィジョンを無料で見られるというのは魅力的だ。国立近現代建築資料館という施設があることはなんと…