座敷牢群島

日頃触れ合った様々な文化についての備忘録となっております。

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

中西進『柿本人麻呂』

中西進『柿本人麻呂』(講談社学術文庫、1991年) [単行本 筑摩書房、1970年] ある程度古典教育を受けた人であれば柿本人麻呂の名前を知らない人はいないだろう。とはいえ、何故人麻呂の和歌がここまで日本文化のなかで強い意味を持ち続けているのかはなかな…

森銑三『渡辺崋山』

森銑三『渡辺崋山』(中公文庫、1978年)[創元選書、1941年] 中村真一郎『頼山陽とその時代』を読んでから史伝熱が湧いてきたので、かつて古本屋で買って放置していた森銑三の人物評伝を読むことにした。まずは『渡辺崋山』である。2年ほど前に石川淳の同名…

姫路市立美術館「連作の小宇宙」

姫路駅から歩いて15分ほどのところに姫路市立美術館がある。庭園を囲むように建っている赤レンガ造りの建物はもともと陸軍兵器廠だったらしい。 今回「連作の小宇宙」という連作というあり方に焦点を当てた展覧会が催され、様々な連作を並べて展示している。…

吉川幸次郎『陶淵明伝』

吉川幸次郎『陶淵明伝』(ちくま学芸文庫、2008年)[新潮文庫、1958年] 陶淵明をちゃんと読んでみようと思っているところでたまたまこの本を古本屋で見つけたので購入してみた。 冒頭は陶淵明が自らに宛てた「自祭文」から始まる。この詩に書かれている自由…