座敷牢群島

日頃触れ合った様々な文化についての備忘録となっております。

藤井猛『四間飛車上達法』

 

藤井猛四間飛車上達法』(浅川書房、2017年)

 本書は、ありきたりな技術書ではありません。私の主観を全面に出した、講義形式の全く新しい一冊となっています。(p. 3)

 

 緒言のこの文に本書の特異性が現れていると言っていい。単に定跡を紹介したり実戦譜を解説したりするのではなく対話形式を取り入れたことによって、藤井猛の将棋思想が読者にクリアに提示されている。将棋を指す上で身につけるべき感覚を講義のように教えてくれるこの本は、たしかに「指しこなす本」でも「急所」でもなく「上達法」。これだけ良質の講義を僅か1400円で受けられるというのは驚きだ。

 この本は全5章で構成されている。

  1. 対抗型とは何か――駒組みの基本と隠された仕組み
  2. 攻めについて――6七銀型と棒銀
  3. 一手争いについて――7八銀型と右銀急戦
  4. 主導権を握ったら――持久戦と6六銀型
  5. 攻めエリアを拡大せよ――5六銀型と藤井システム

  藤井九段の思考の組み上げ方の一端に触れられるような気がすることが個人的にはこの本の最大の魅力である。かつて藤井九段は「自分には直感がない、だからこそ藤井システムができた」ということを書いていたが、このような思考のあり様は一手づつ手の意味を丁寧に積み上げていくこの本のあり方にも重なるように思える。講義という形式を通して、藤井九段の思考そのものが有機的な「システム」として浮かび上がってくるような本だと言えるかもしれない。

宮沢輝夫『秋田犬』

宮沢輝夫『秋田犬』(文春新書、2017年)

 

 タイトルの通り秋田犬について書かれた一冊。昨年末というタイミングで出されたのは戌年を意識したのだろうか。

 第1章は秋田犬の世界での知名度の高さについて、第2章では秋田犬という犬種がいかにして産み出されてきたのかという過程について、第3章では忠犬ハチ公を巡るエピソードについて、第4章では秋田犬が今後いかにして存続していくかについて語られている。

 個人的に印象に残ったのは第2章。明治期の闘犬ブームで土佐犬やマスティフ、シェパードとの交配が進んで秋田犬は「新秋田」となり、現在秋田犬と呼ばれるような姿の犬はほぼ消滅しかかったという。さらには戦中期には大食いであり軍犬としての適正もそこまでなかった秋田犬への風当たりは強くなり絶滅の危機を迎えた。愛犬家たちはなんとか国粋主義の文脈に乗せながら手練手管を尽くしてなんとか秋田犬の命脈を保ち、戦後に秋田犬を一犬種として確率させようとする。秋田犬を巡る人々のドラマはなかなか壮大で面白い。

 私自身は犬を見ると怯えてしまうほど動物嫌いなのだが、読後にはなんだか秋田犬と触れ合ってみたくなったのでなかなかいい本だったのだろう。

 

出村和彦『アウグスティヌス――「心」の哲学者』 

出村和彦『アウグスティヌス――「心」の哲学者』(岩波新書、2017年)

 アウグスティヌスの生涯と思想をダイジェスト的にわかりやすく紹介した一冊。

 かつてアウグスティヌス『告白』(服部訳)を読んだとき、意外にも説教臭くないその内容に驚いた記憶がある。久しぶりにアウグスティヌスについて読みたくなってこの本を手に取った。目新しい内容ではないが、非常に丁寧に時代背景が描かれているうえにコンパクトでまさに良書という感じ。

 アウグスティヌスが繰り広げた思考の面白さの核となっている部分が端的に筆者によって表現されていると感じた部分を引用して紹介する。

 その際、アウグスティヌスは、ソクラテス以来の「私たちは誰でも皆、幸福な生を送ることを望んでいる」ことを人間の理性的な共通前提としている。このことは古代倫理思想史の一事実として抑えておいていい。すなわち、幸福とは、ほんとうに善いものである最高善を所有し獲得しているときに達成できるのであり、自分がほんとうに愛しているものを享受することに他ならない、というのである。

 では、最高善とは何か。アウグスティヌスギリシア倫理学の基本線を生かして、人間にとっての完成である徳を積むことによって得られるものであると言う。しかし、その先に永遠不変の存在である神のみが、私達の魂の完成をもたらすと結論づけている。この神を得ようと寄りすがることこそが幸福をもたらすが、その寄りすがりは「ただ、愛、愛、愛によってのみ可能である」と宣言するのである。ここでのアウグスティヌスの戦略は、ギリシア・ローマ的な伝統が求めていた幸福は、キリスト教の神を愛してこそ実現すると示すことにある。不思議な融合的思考法が見られる注目すべき書物である。 (pp. 75-76.)

 

 ギリシャ・ローマ的思考とキリスト教を接合させるという荒業は、単なる神学者ではできなかっただろう。本書で描かれるような波乱万丈の人生がこの荒業の下地になっていることは間違いないだろう。

 アウグスティヌスの生涯を追うことも楽しいのだが、むしろ出村氏のなんとか抑えを効かせていることが伺える筆致の方が楽しい。思想を知るという面では物足りなさもあるのだが、アウグスティヌスの著作へと読者を誘うという意味ではこのぐらいの方がいいのだろう。

風景印(邑楽、桐生、足利)

新年のお出かけがてら群馬栃木近辺で風景印を貰いました。長柄局の風景印はなかなか可愛らしく印影も綺麗です。桐生の風景印は織物絡みが多く地域色が分かりやすいですね。

 

邑楽町

長柄

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中野

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桐生市

桐生

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桐生川内

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足利市

足利

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足利葉鹿

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足利小俣

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第62回有馬記念予想

 気がつけばもう有馬記念の時期。なぜかホープフルSが有馬の後にあることで若干興が削がれている気はしないでもないが、多くの競馬ファンにとって本当の〆の大一番は東京大賞典、あるいは東京2歳優駿牝馬高知県知事賞だろうからそこまでの問題でもない。
 世間の大半は、キタサンブラックが有終の美を飾ることを望んでいるに違いない。サトノダイヤモンドレイデオロゴールドアクターもいない以上、キタサンブラックが明らかに有馬記念の最有力馬であることは間違いない。とはいえ、12年前に競馬を知ってからここまで穴党を名乗り続けている人間がキタサンブラックに本命を打つ訳にはいかない。根っからの3着探し人間(複勝ワイド三連複しか買わない)なのだから、キタサンブラックで一枠埋まったってかまわないわけだ。ちなみに去年の本命はデニムアンドルビーでかすりもしていない。年内はおそらく馬券を買えないので、あまり身の入った予想ではないのだがそれなりに真剣に考えた。ギリギリでPATに金を放り込んで2000円ぐらいは買うかもしれない。
 考えたあげく本命はサトノクロニクルにした。枠は絶好。ギアチェンジ性能には一抹の不安があり、キタサンブラックのペースでは勝負どころで置いて行かれそうだが上手く逆用できないか。動かすジョッキーなら早めに動いて勝ちに行くかもしれないが、それでは明らかに足りない。戸崎の周りに合わせての仕掛けで周りから遅れたのが功を奏して、ゴール前で遅刻気味の3着というのが理想形。ラビット説もあるが、だったら戸崎じゃないだろうという気がするしクラウンのためにわざわざやるのか疑問。クラウンよりはクロニクルの方が期待できると思うのだが……
 対抗には敬意を評してキタサンブラック。最後勝って綺麗に終わるのも悪くないか。気になる点があるとすれば疲労。基本的に叩き3戦目では若干状態を落とす傾向にある馬だけに全幅の信頼を起きづらい面もある。
 3番手評価にはミッキークイーン。去年は勝ち馬に交わされて苦しくなってからも直線しぶとく伸びて5着と力のあるところを見せた。今年に入っても衰えは見せていないだけに去年程度走れば馬券内もありそうだ。
 シャケトラは連下1番手に留めた。第一感での本命はこの馬。春先の中山重賞を勝ってから秋に程よく負けて人気を落として有馬に挑むというパターンは古来からよく来る。アメリカンボスエアシェイディマツリダゴッホ……しかしこれらはAJCC勝ち馬だ。当該年の日経賞馬は有馬では意外と来ない。しかも日経賞の内容は平凡。いわゆる「罠」の香りを感じてしまい、重い印は打てなかった。
 連下にはレインボーラインシュヴァルグランスワーヴリチャードヤマカツエースまで。
 
 ◎サトノクロニクル
 ○キタサンブラック
 ▲ミッキークイーン
 △シャケトラ
 △レインボーライン
 △シュヴァルグラン
 △スワーヴリチャード
 △ヤマカツエース

2017アイドル楽曲大賞

 金を使わずにアイドルというコンテンツを精神安定剤として服用している(真っ当とは言い難い)人間が選ぶ2017年のいい曲です。当然金を使わなくてもある程度公式が聞かせてくれる曲しか選びません。

 

1位 NGT48/みどりと森の運動公園

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2位 =LOVE=LOVE

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3位 HKT48/キスは待つしかないのでしょうか?

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4位 NGT48/青春時計

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5位 わーすた/最上級ぱらどっくす

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ベスト5には入れなかったけど結構好きな曲を以下にメモ。

AKB48/#好きなんだ

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AKB48 [SHOWROOM選抜]/プライベートサマー

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HKT48 [4期生]/さくらんぼを結べるか?

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NMB48/まさかシンガポール

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SUPER☆GiRLS/恋☆煌メケーション!!!

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私立恵比寿中学シンガロン・シンガソン

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どうぶつビスケッツ×PPP/ようこそジャパリパークへ

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乃木坂46インフルエンサー

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MONDO GROSSO/惑星タントラ [Vocal: 齋藤飛鳥 (乃木坂46)]

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